『乗鞍岳』の山懐で標高1,400mの深い谷あいに、十数軒の温泉旅館が通年営業されている情緒タップリの温泉地なのです。人気の『高山』『奥飛騨温泉郷』『上高地』『安曇野』にも近い保養には最適の場所に位置しています。四季折々の景観と眺望に恵まれていますから、年間を通じて多くの温泉客で賑わっています。
古くから「3日入れば、3年風邪をひかない」といわれる名湯で、白濁したお湯と硫黄の匂いが湯治場の風情を漂わせています。湯船の中が温泉の成分である石灰分のために白く結晶がこびりついたことから「白船(シラフネ)」と呼ぶようになったといわれています。それが何時しか「白骨(シラホネ)」となったらしい。
湯屋が造られたのが江戸時代と伝えられています。明治から昭和にかけて『若山牧水』『与謝野晶子』などの文人が多く訪れたとのことで、中でも1913年(大正2年)から『中里介山』が新聞に連載をした長編小説『大菩薩峠』の『白骨の巻』で、白骨温泉を「五彩けんらんたる絶景」と描いたことで全国的に有名になったといわれています。
白骨温泉『白骨 ゑびすや』は比較的、奥の斜面に位置しています。その分、眺めもよく静かな宿なのです。パンフレットには「熱く湧出をし続ける白骨の湯にも似た、心温まるおもてなしと、快適な館内施設で、お寛ぎいただいております。山深い出湯の里ならではの素朴さに、しばし心を預け「ゑびすや」の温泉と料理、そして白骨の季節感豊かな大自然を満喫してください。皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております」と書かれています。
当然『白骨 ゑびすや』も温泉は白濁した単純硫化水素泉で『殿方檜大浴場』『御婦人檜大浴場』『男女別露天風呂』を持っております。露天風呂からの眺望もステキで、四季折々の景観を楽しむ事ができます。最近は道路も整備されており、名古屋方面からも入りやすくなって便利な温泉地になりました。静かなひとときを過ごしたいならシーズンオフがお勧めです。
2005年3月上旬取材
乗鞍高原 2006年10月下旬取材
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