岐阜県と長野県の県境に位置する『木曽御嶽山』(3,063m)は独立峰の活火山で、古くから『富士山』『白山』と並んで信仰登山が盛んな山でもあります。《徳川末期の天明、寛政の時代に移り、ここに、いよいよ尾張(名古屋)の覚明、武蔵(関東)の普寛の二大行者が出現し、その難行苦行によって『御嶽山』は、ようやくにして万民の前に開かれ、御嶽信仰はこの以後、江戸末期幕末から文明開化の明治初期にかけて、猛烈な勢いを以て全国津々浦々に広まっていったのである。「御嶽教の歴史」より》今でも白装束に身を包み「六根清浄」(ろっこんしょうじょう)と、自らを練り清めるために山頂の奥社を目指し、信仰登山をする人々が絶えません。
濁河温泉『旅館御岳』は、御嶽山の7合目付近(海抜1,800m)の高所にあり、通年営業の温泉としては、日本一高い所に位置する温泉で、霊峰『御嶽山』から流れ下る『湯の谷』と『草木の谷』が白糸の滝で合流すると濁ることから『濁河温泉』の名が付けられたと云われています。深山幽谷でありながら、江戸時代の中頃には発見され、明治の頃には宿泊施設があったようです。あたり一帯は原生林と高山植物の生い茂る地域で、夏でも寒いくらいの気候です。『御嶽山』の飛騨側の登山口でもあり、周辺には『仙人の滝』『白糸の滝』『緋の滝』が見事です。
現在は12軒の宿泊施設・岐阜県御獄少年自然の家・町営露天風呂等があります。『旅館御岳』は深山にしては、旅館というよりは大きなホテルと言った方が正しい大規模施設です。しかし、ロケーション・渓谷露天風呂・屋上天文台などがお客様に好評です。『濁河温泉」の源泉温度は約53℃で、源泉100%かけ流し、空気に触れると黄土色から赤褐色に変わります。夕食には土地柄、飛騨牛ステーキが、朝食時には温泉を使用した『にごりご温泉粥』が出されます。高所にあるスキー場『チャオ御岳スノーリゾート』まで、車で30分の便利な場所に位置しています。
2006年7月上旬取材
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