観光で人気の『飛騨高山』から、車で約1時間ほどで『奥飛騨温泉郷』の最初の温泉地『平湯温泉』に着きます。『平湯トンネル』をくぐって、急坂をおりた山深い場所です。『平湯大滝』が知られているのですが『乗鞍岳』の山麓にしてはとても開けています。『安房トンネル』が開通してからは、冬期でも信州側からも入れるようになったお陰なのでしょうか。
戦国武将、甲斐(山梨)の『武田信玄』が越中(新潟)を手に入れるため飛騨に攻め入った。ところが、大軍を率いての険しい山越えは厳しいものがあった。平湯あたりについたところ、老猿が湯だまりで傷を癒していたのを見て、この場所で信玄の軍勢は傷や疲れを癒して、再び元気を得たと云う……これが『平湯温泉』発見の由来と伝えられている。その後も、北陸の諸大名が参勤交代の際に温泉宿場として利用され、今日まで豊富な湯を沸き続けています。
『平湯バスターミナル』を左に見て『安房峠』に向かう途中から、右に入り、山道を登ったところに、平湯温泉発祥の地『神の湯』が ひっそりとあります。不動明王がそばにあり、奥飛騨の風情がタップリの共同露天風呂です。
まず、小屋(受付)で料金を払います。その前では、冷やしたラムネ・炭火焼きの川魚・温泉玉子などが売られています。そこから、ゆるい坂を上って行くと『男湯』その上に『女湯』があります。脱衣所には、有料のロッカーがありますから安心です。さほど大きくない湯船は山を背に野趣満点で、やや乳白色(成分が岩について白く見える)の湯は弱い硫黄の匂いがします。平湯温泉『神の湯』は、冬は積雪のために閉鎖されますが、それ以外の季節が織りなす自然景観はかなりの“癒し”効果が期待できます。『自然派倶楽部 yuu』の特選の温泉としてお薦めです。
2005年10月下旬取材
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