長野県の北部、白根山(2,160m)の西の中腹に位置する信州高山村には松川の渓流沿いに『奥山田温泉』『七味温泉』『五色温泉』『松川渓谷温泉』『山田温泉』『子安温泉』『蕨温泉ふれあいの湯』などのいで湯があります。それらを総称して『信州高山温泉郷』と呼んでいます。さらに登ると群馬県の『万座温泉』があり、優れた温泉地域です。
『信州高山温泉郷』でも、旅館の件数が一番多いのがここ「山田温泉」で、昔風の共同浴湯「大湯」は、珍しい湯屋造という総ヒノキの木造建築様式で、そのレトロな雰囲気には人気があります。
その隣にある『山田温泉:風景館』は、古く寛政7年(1769年)に創業。昭和30年代に美空ひばりさんが宿泊をされた、別館「深羅荘」があり、予約で食事ができるようになっています。さすがに渓谷美を誇るだけあって、部屋からは松川渓谷の斜面を眼前にすることができ、紅葉の時期は素晴らしいと想像できる。
まず何よりも、ロビーには季節の山野草がさりげなく飾られていることが嬉しい。女将さんの趣味とのこと。このセンスが、施設全体・各部屋に生かされている。それに料理にも季節の野草が添えて、旬を堪能できる。それぞれの料理は、地の物であっても工夫がされており、手を抜いていない。朝ご飯でも同様に、地の食材を“非日常”にしてあるのは“旅慣れた”お客様にとって嬉しいことである。さらに、『山田温泉:風景館』自慢の「仙人露天岩風呂」は松川渓谷に階段を下るのだが、崖の斜面にあり、野趣タップリで自然に溶け込む感がする。ちなみに、当サイトの、優れた温泉宿の条件のほとんどに適う施設です。
2005年8月下旬取材
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