新潟県南魚沼郡湯沢町『赤湯温泉:山口館』は日本百名山の『苗場山』(2,145m)の東南、5合目に位置します。尾根を西に越えた長野県側には『秋山郷』の里があります。登山装備をして行かなくてはならない秘湯中の秘湯で、往復4時間〜7時間(車道が封鎖されている場合)のアップ・ダウンの登山覚悟の山奥の秘湯温泉なのです。
一軒宿(と言っても山小屋)の『山口館』が管理しています。ここは苗場山の登山基地にもなっており、入浴料金もそこで払ってから入ることになります。女性湯は囲まれていますが、ほとんど野天と同じ。上流から『玉子湯』『薬師湯』女性専用の『青湯』の3つの湯舟があります。お湯の温度と色は3ヶ所とも違います。温質は含石膏食塩泉、主に鉄分が多いために錆色をしているので、タオルは茶色に染まってしまいます。
『赤湯温泉:山口館』は確かに山深いのですが、なんと言っても『清津川』の瀬音・谷間を抜ける爽やかな風・ランプ片手に、夜空の星屑を数えながら入る野天風呂は格別の味わいがあります。それに季節によって、咲き誇る山野草・新緑・錦の紅葉を愛でながらの登山は楽しいものがあります。昭和57年には浩宮さまも友達と『赤湯温泉:山口館』を訪れています。しかし、営業は4月下旬〜11月上旬までです。
「日本秘湯を守る会 会員の宿」2005年5月中旬取材
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