那須湯本温泉は那須で一番古く、開湯1300年といわれる。鹿がこの温泉で傷を癒していたことから『那須:鹿の湯』と呼ばれるようになった。温泉通にはたまらない、昔ながらの木造の湯船は、時代を遡ったようなレトロ感がタップリで、身体のみならず、心も癒される。立ち寄り湯のみの共同浴場であるが、長期の湯治客にはそばに民宿が幾つかある。
硫黄の独特の匂いと乳白色の湯が懐かしさを感じさせる。混浴(と言っても、ほぼ男専用)湯船は入り口にかぶり湯が1個。中は6つに仕切ってあり、温度管理はしっかりとされている。41℃・42℃・43℃・44℃・46℃・48℃の6種類。さすがに48℃に入っている人は少ないみたい。女性専用は最高温度は46℃になっているとのこと。これらを3分浸かっては休み。休憩して、また3分浸かるという“短熱浴”を3回ほど繰り返す。各地からきた湯治客と世間話をしながらの時間つぶしは愉しい。しかし、入浴前にヒシャクで熱湯を100回ほどかぶってから入るというのが正式な湯治法とか。当然ながら、石鹸・シャンプーなどは使用禁止。
『那須 鹿の湯』に名古屋方面から行く人は少ないとは思うが、奥飛騨温泉より濃いように感じた。450kmほどかけて行っても、充分に満足のできる旅になること請け合い。
2005年6月下旬取材
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