『小瀬温泉』「こせおんせん」と読む。変わらぬ人気の軽井沢にあって、静かな国有林の中に佇む一軒宿は、明治9年(1876年)国有林の一部を借りて開業したという。当初、『蓬莱荘』という名前で営業していたが、1974年頃、今の『小瀬温泉ホテル』と改名した。
『小瀬温泉ホテル』の近くには、草津と軽井沢を結ぶ草軽電鉄の『小瀬温泉』の駅があったが、昭和37年に廃線となってしまったが、草軽電鉄は多くの文豪や著名人が訪れるのに利用されていた。施設内には当時の写真が展示されている。
タップリの源泉掛け流しであり、52℃・45℃・30℃の3本の源泉を所有している。時代をタイムスリップをした感がある。周辺には民家、お店はなく、まさしくスローライフを満喫できる宿で、露天風呂はないものの『自然派倶楽部 yuu』の特選の温泉にしてもいいほどに申し分ない。
佐久が近いこともあり鯉の料理は欠かせないが、清流で20日以上遊ばせた鯉を料理しており、とても美味しい。前を流れる小瀬川のせせらぎの音を耳にしながら、ゆっくりと静かに流れる時間を、野鳥か野草のポケット図鑑を片手に森を散策するのは楽しく、癒し効果は満点である。
2004年6月下旬取材
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